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見えない世界とふつうの日々


あっちとこっちとその両方。
by 蓮子(Renko)

ユタさんに会った話。





そのユタさんに会ったのは、今年の2月。
私は、とある神秘学と意識についての学校を終えて、
これからどうしていこうかと考えていたところだった。

ユタさんは、沖縄から数日間の出張で来ているらしい。
面会場所に指定されたお店に着いてガラス戸を開けると、
全体的にきゅっと小作りな感じの、30歳くらいと思われる
物静かでふわっとした雰囲気のお姉さんが1人で店番をしていた。
普段は雑貨店として営業しているそのお店の中には、
私とそのお姉さんの他には誰もいない。

受付のアルバイトの人かな?と思いながら
「予約の者です」と名乗ると、お姉さんが
「こちらへどうぞ」と、
小さい店の奥の、布で仕切られた狭いスペースに
すたすたと歩いて案内してくれた。
仕切りの中には、折りたたみの丸い簡易椅子が2つ、
向かい合わせに置いてあった。

「どうぞお座りください」と手前の椅子をすすめられ、
お姉さんが奥側の椅子に腰掛けてこちらを向いたとき
ようやく私は、(この人がユタさん本人だったのか)と気づいた。

私が受付のお姉さんと勘違いしていたことに、ユタさんが
気づいていたかどうかはわからなかったけれど、
ともかく「よろしくお願いします」と挨拶して面談が始まった。

私は、最近起きた身辺の出来事について尋ねた後、
「リーディングとかしていきたいという希望があるんですけど
適性はありそうでしょうか」と、思い切って聞いてみた。
すると、
「リーディングって何ですか」と逆に聞かれる。

「今あなたがやっているようなことです」と私が答えて言うと、
「私は神様からやるように導かれて、他の選択肢がないからやっている。
人から白い目で見られることもある。
こんなことをわざわざやりたがるとは不思議」とまず言われる。
そして、
「あなたの先祖にこの仕事の人はいないようだし、
自分に嘘があってはできないとても大変な道だから、
他のことができるなら、今始める必要はないのではないか。
やりたければ年をとってからでもできるし、
人の相談を受ける仕事をしなくても、
学んだことは何にでも生かせる。
他のことをやりながら、学んだことを自分の人生に
生かすほうがいいのではないか」
ということを言われた。

本質を突いたアドバイス。
今書きながら思い出していても、
彼女のおっとりしたかわいらしい雰囲気の芯にある迫力と、
何か大きく広く深くとてつもなく透明なものとつながっているという、
私の中に湧き出した確信が、よみがえってくる。

本質が見えている人というのは、私には有無をいわせず魅力的だ。
こんな人に会ってしまうと、やはり私もそちら側に行きたいと思う。
リーディングや鑑定をするしない、といったこととは別次元の
生き方の姿勢として。
会っただけで導かれる、そんな力とつながっている人だった。

ユタさんは、その後の私のたぶん不躾にちがいない質問にも、
ひとつひとつ、誠実に丁寧に答えてくれた。
弱い部分にはエネルギーを入れ、
憑いてるっぽいものを取り、
沖縄人としての気持ちも、控えめながら伝えてくれた。

「自分に嘘があってはできない」と言ったユタさんの、
あの目の奥の深さを思い出すと、背筋が伸びる思いがする。


ユタさんに会った話。_d0359804_20323897.jpg


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by homibetoo | 2017-04-11 19:23
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